適応障害の診断基準

そのため、世界保健機構の診断基準ガイドラインというのも設けられています。
鬱病でもない、不安障害でもない、パニック障害でもないストレス性の精神疾患、それが適応障害なのであります。
そして、その診断基準によると、適応障害を発症すると、社会的機能が著しく障害されると記載されているんですね。
ですから、そうした鬱病統合失調症がない状態で情緒不安定なのであって、初めて適応障害と見なすというのが診断基準のようですね。
ただ、私たちの日々の生活というのは、一見穏やかに見えても、かなりの高頻度で微妙な変化や変動を繰り返しているものです。
ずっと同じ家に同じ家族と暮らし、同じ職場で同じ同僚と働いていたとすれば、取り敢えず大きな環境の変化はなかったと見なせるでしょう。
そして、鬱病統合失調症などの精神疾患の診断基準の方がより多く当てはまるようであれば、そちらを優先するというのが今の日本の多くのドクターの方針でしょう。
まあ関連のブログやサイトを読んでいただいても分かっていただけるかと思いますが、適応障害鬱病との診断基準は正に紙一重なのであります。
そうなって来ると、これは自らの心の中にストレス因子が潜んでいる鬱病ではないかという診断基準になり、適応障害だとは中々判断されない訳です。

適応障害の診断基準は、いつ頃から症状が出始め、その直前にどんな環境や人間関係の変化があったかによっても決まって来ます。
そもそも日本では長年、適応障害のような精神疾患は、取り敢えず鬱病という診断基準が暗黙のうちにありましたしね。